追記:
あとあと考えると、この分析間違ってますね・・・。
下の構造の、2と3は同じカメラですもんね。
前から変だなと思ってたのですが、テレビ放送でアクセス増えていたので追記しました。
こんにちは、Cody米田です。
今回は、話題になってる映画『カメラを止めるな』の【完全ネタバレあり】構造分析をしようと思います。目次までは【ネタバレ】しませんので、ご安心ください!
(見る予定なのに、タイトルで分かってしまった方、ごめんなさい!)
『カメラを止めるな』は低予算のインディーズ映画ながら、その面白さから、ミニシアターだけでなくシネコンで全国公開されてますね。僕も、いち早くと思い、7月下旬のミニシアターのうちにチケットを取ることができました。
この映画、【ネタバレ】しないことが映画を楽しむ肝!とも言われてます!
でも、公開してもう2ヶ月くらい経ったし、ネタバレなし情報も飽和状態だと思うので、今回は見た人向け(または、絶対に見ない人向け)に完全ネタバレありで構造を分析してみたいと思います!
以降、目次になります!ネタバレになります!
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どんな構造の映画なのか?
いきなりネタバレですが、この映画のおもしろさは「劇中劇」の入れ子構造という「しかけ」があることなんですよね。
見た人向けなので分かると思いますが、よく構造を考えてみると下のようになってます。
< 2. を撮ってたらほんとにゾンビが出るゾンビ映画
< 3. というワンカットテレビ作品
< 4. の裏側を見せる映画本編
< 5. の裏側というエンドロール
したがって、構造は5重だったんですね。
なぜこんなに話題になるほど面白いかと言えば、この3重目の枠を「映画本編」だと思って見ていると、その外の枠があるのだと、後半でバラされるびっくりがあるからなんですよね。
では、全ての劇中劇の構造をひとつひとつ取り上げてみましょう〜
1重目、彼氏がゾンビになるゾンビ映画
1重目は、監督(役)の人が撮ってる作品ですね。
ヒロインがゾンビになった彼氏に襲われるというものです。オープニングあたりにそのカメラの映像が一瞬出たかもしれませんが、基本的に見れない作品部分ですね。
(余談ですが、映画『スーパー8』ではここがエンドロールで見れる劇中劇になってましたね)
2重目、監督を含めたゾンビ映画
2重目は、上のカップル+監督(役)も含めてのゾンビ映画です。「ゾンビ映画を撮ってたら、ほんとにゾンビに遭遇しちゃった」という映画ですね。
最初は、これが「映画本編」部分だと思わせる「騙し」があるわけです。
で続いて、
3重目、というテレビ作品だった。
3重目は、上が劇中劇で、これは「そういうテレビ番組でした」と「騙し」が明かされます。
そこまででもすごいかも!?
と思って見れてしまうのは、「ワンカット オブ ザ デッド」というカットの無いテレビ作品だからなんですよね。また、キャスティングでの苦労も明かされます。
でも、なんで「ワンカット」なんてものにしたんでしょうか?
それが、次の枠で明らかになります。
4重目、映画本編「ワンカットゾンビ映画の裏側」
そうです!!
これが、肝なんです!!
ここが映画の本編だったんです!!
「ワンカットゾンビ映画」の裏側を見せる映画だったわけです!
今まではそのためのお膳立てだったんですね〜。
それが分かると、今までのある意味ホラーシーンが、逆に笑っちゃうという「しかけ」になってたんですね!!
脚本通りだと思っていた「よくできたワンカットゾンビ映画」が、実はアドリブだらけだったんですから!キャスティングの関係性などが分かってるので、最高に笑っちゃうわけです!
え、本編が終わったのに、まだ入れ子は残ってます。
なぜか?
ラストは、、、
5重目、映画本編の裏側
なんと、5重目として、この映画本編の裏側も見せちゃっているのです!
これは「エンドロール」で明かされます。
上の映画本編で「ゾンビ映画」が脚本通りでは無いアドリブだらけの作品という「ネタバラシ」があったわけですが、それすら「ネタバラシ」しちゃうんです!!
つまり、これは映画だから、みんなのアドリブで作ってるわけありませんよね?ちゃんと脚本通りに撮ってるわけです。
みんなのアドリブで撮った「ゾンビ映画」という本編を覆し、ほんとのほんとは、カメラマンひとりで撮ってましたと明かしちゃいます!!
(ただ、これはボーナス映像的なので、ほんとの撮影シーンかは怪しいです。エンディング用に再び撮った撮影シーンかもしれませんね)
まとめ
という、5重の劇中劇構造だった『カメラを止めるな!』の完全ネタバレあり分析でした。
現在は、舞台の「パクリ」だと騒動になってますが、脚本の面白さなので、原作者が文句を言うのも分からなくはないですね…。
もしかしたら、エンドロールのネタバラシのネタバラシは、映画版『カメラを止めるな』の上田監督のアイデアなのかもしれません。舞台ではできなそうなので…。
とは言え、面白いのでみなさんにおすすめですよ〜。映画脚本の勉強にもなりそうですね。